ヴェルクマイスター第一技法第三法


この調律法は、ヴェルクマイスターによって考案された調律のひとつです。ウェル・テンペラメント、または、ピタゴラス音律をもとに考案されています。

一番協和度の高い 3 度は、390 cent で一番協和度の低い 3 度は 408 cent です。協和度の高い 3 度が純正な 3 度の 386 cent よりも少し協和度が低めなので、408 cent の 3 度があまり気になりません。オリジナルのピタゴラス音律が、F# - C# - G# - Eb - Bb - F - C に存在しているのも特徴です。

平均律クラヴィーア曲集は、バッハがこの調律に感銘を受けて作成されたといわれています。

この音律は、バランスもとれていて、また純正な音階があることから、調律法の中で、もっとも人気の高い音律です。

この音律は、番号を省略した呼び方で、ただ単に「ヴェルクマイスター」と呼ばれたり、「平均律」と呼ばれたりします。

cent 値
C=12 , C#=2 , D=4 , Eb=6 | E=2 , F=10 , F#=0 , G=8 | G#=4 , A=0 , Bb=8 , B=4 (a 基音)
C=0 , C#=-10 , D=-8 , Eb=-6 | E=-10 , F=-2 , F#=-12 , G=-4 | G#=-8 , A=-12 , Bb=-4 , B=-8 (c 基音)
C=8 , C#=-2 , D=0 , Eb=2 | E=-2 , F=6 , F#=-4 , G=4 | G#=0 , A=-4 , Bb=4 , B=0 (平均律基準)

調律法
ウェル・テンペラメントをまず作成してから、純正 5 度を A - E , E - B に取り直す方法と、696 cent の 5 度のうなりを聞くことができるようにトレーニングしてから、直接調律する方法があります。どちらの方法にしても、一直線に調整すると誤差が蓄積しやすいので、696 cent をいくつか噛んだ 3 度のうなりが分かるようになれば心強いと思います。

よく使われる楽器
バロック 〜 古典派 クラシック用のピアノ

(2009.10.07)


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