キルンベルガー第三法


キルンベルガーがこの音律よりも先に考案した、第ニ法よりも、5 度にかかる負担を軽減した調律法です。5 度が 696.5 cent になり、ミーントーン 5 度と等しくなります。

キルンベルガーは、3 つの調律法を提案していますが、現在、キルンベルガーの音律といった場合、この調律法を指します。ベートーヴェンのピアノがこの音律に調律されていたといわれています。

第三法は、全体的にバランスがとれていながらも、1 つではありますが、純正 3 度があるのが特徴です。

しかしながら、5 度の負担を 4 つに分けてしまったので、余りの 700 cent が、F# - C# に移動してしまい、ピタゴラス音律部分が完全ではありません。

この音律は、純正な長 3 度がありながらも 12 調を無理なく演奏できるので、すべての 調が存在し、C 調付近でのコーラスや金管楽器との合奏のある曲集にたいして、この調律は活用することができます。

cent 値
C=10.5 , C#=1.5 , D=3.5 , Eb=4.5 | E=-3.5 , F=8.5 , F#=1.5 , G=7 | G#=3.5 , A=0 , Bb=6.5 , B=-1.5 (a 基音)
C=0 , C#=-10 , D=-7 , Eb=-6 | E=-14 , F=-2 , F#=-10 , G=-3.5 | G#=-8 , A=-10.5 , Bb=-4 , B=-12 (c 基音)
C=7 , C#=-3 , D=0 , Eb=1 | E=-7 , F=5 , F#=-3 , G=3.5 | G#=-1 , A=-3.5 , Bb=3 , B=-5 (平均律基準)

調律法
C から調律していくのが理想ですが、ミーントーンに慣れていれば、A からでも調律することができます。4 つのミーントーン 5 度ができたら、C - E の純正 3 度で確認をとることができます。700 cent の 5 度は自動的にできますが、かなり上のほうにあるので、多少ヴォルフがひどくても問題はないと思います。

よく使われる楽器
チェンバロ

(2009.10.08)


トップページに戻る