キルンベルガー第二法


バッハの弟子であるキルンベルガーによって考案されました。

音律自体、最大限純正になるように工夫されています。C 調付近の 3 度が純正であるのにもかかわらず、ヴォルフがでないようになっており、その値は 700 cent で、ピタゴラス 5 度よりも低く、演奏の際、問題にはなりません。

しかしながら、G - D - A が 691 cent であり、かなり 5 度が犠牲になっており、したがって、他の ウェル・テンペラメントに比べ、汎用性にかけるといえます。

C 調付近で、5 度、3 度が純正であり、また、D - A に 680 cent のヴォルフ・トーンがないので、旋律性を維持しながらも、大変美しいハーモニを奏でることができます。

キルンベルガー第二法は、音律を考案した当時においては人気が高かったのですが、現在は、キルンベルガー第三法のほうが人気が高く、単にキルンベルガーの調律といった場合は、キルンベルガー第三法のほうを指します。

cent 値
C=16 , C#=6 , D=9 , Eb=10 | E=2 , F=14 , F#=4 , G=18 | G#=8 , A=0 , Bb=12 , B=4 (a 基音)
C=0 , C#=-10 , D=-7 , Eb=6 | E=-14 , F=2 , F#=-12 , G=2 | G#=-8 , A=-16 , Bb=4 , B=-12 (c 基音)
C=7 , C#=-3 , D=0 , Eb=1 | E=-7 , F=5 , F#=-5 , G=9 | G#=-1 , A=-9 , Bb=3 , B=-5 (平均律基準)

調律法
# , b 付近は、純正 5 度をとっていきます。C 調付近は、3 つの 3 度が手がかりにしながら調律し、G - D - A を等間隔になるようにうなりで調整します。700 cent の 5 度は余りで出来上がることになるので、長 3 度のうなりがピタゴラス長 3 度の部分よりひどくなければ、調律はうまくいっていると思います。

よく使われる楽器
コーラス伴奏用の鍵盤楽器 (ピアノ、チェンバロ)

(2009.10.07)


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