平均律


20 世紀から現在において、もっとも用いられている調律です。フィレット楽器においては、昔から用いられてきました。すべての 5 度が 700 cent で構成されています。それによって、半音階である、#、b が同じ位置になります。

この音律での旋律は、聴覚的に直線に並んでいるように聞こえます。なぜならば、人間の耳には周波数比の要素に変換したような聞こえ方になるからです。また、5 度がすべて等間隔なので、どの音を基音にしても同じ音律が得られます。

この調律の最大の欠点はオクターブ以外、純正な和音が存在しない、ということです。また長 3 度が 400 cent であり、ピタゴラス 3 協和の 408 cent に非常に近い値となります。これは、比較的不協和の部類に入ります。

しかしながら、すべての 3 度が等しいので、このうなりは、この調律に慣れるにしたがって気にならなくなります。また、残響音が 6 秒以上の場所においてはうなりが消失し、非常に純正なハーモニーに聞こえます。

過去において、理論的には、様々な物理学者がその可能性を提唱していますが、調律が困難なので、事実上の普及は、電子チューナーが発達してからになります。

cent 値
C=0 , C#=0 , D=0 , Eb=0 | E=0 , F=0 , F#=0 , G=0 | G#=0 , A=0 , Bb=0 , B=0

調律法
フィレット楽器は、作図によって調律することができます。その他の楽器については、純正な音階がなく耳で調律するのが非常に困難なので、電子チューナーを用いる方法が一般的です。また、この音律については、人間の耳の錯覚を補うように、周波数の高いほうをより高く、低いほうをより低くとる、ストレッチ・チューニングを用いる場合があります。

よく使われる楽器
ギター、ピアノ

(2009.10.06)


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